蜂蜜Socrates

なぜ頭がいたいのか

愛情ホルモン オキシトシンの科学

大昔から今に至るまで母親は生まれてきた我が子を当然のように愛情を持って育てますよね。

皆さんも同然母親の愛情を受けて育ってきたと思うし、僕も同じく母親に愛され人生の方向性を見失いながらもなんとか成長してきました。

しかし母親が当然持っている子供への愛情というのは実はオキシトシンが作り出したものだったんですね。今回はそんなオキシトシンの話。

今回このブログで特に読んで欲しいのは目次の4番なので他は飛ばして読んでもらっても構いません。 

 

目次

1.オキシトシンとは

2.オキシトシンの生理学的役割

3.愛情を育むホルモン-オキシトシン

4.赤ちゃんの虐待についての考察

 

 

1.オキシトシンとは

生理学をかじったことがある人にオキシトシンとはなんぞやと聞くとオキシトシンとは下垂体後葉から分泌される母乳を出させたり、分娩時に子宮頸部を収縮させるホルモンのことでしょと答えるのでしょうが一般的にはオキシトシンと言えば、人をより社交性にしたり、血圧を下げたり、ストレスを軽減してくれたりやつで、人とボディタッチした時やオーガズムを感じた時に分泌されるやつでしょみたいなイメージを多くの人が持っているのではないでしょうか?

今回のブロげでは最初に書いたようなオキシトシンの生理学的役割をメインにかいていきます。

 

 

2.オキシトシンの生理学的役割

オキシトシンの働きは主に2つあり

①赤ちゃんに母乳を与える働き

②分娩時に子宮を収縮させる働き

があります。

それではこの2つの働きのメカニズムについてみていきましょう。

 

①赤ちゃんに母乳を与える働き

赤ちゃんが乳房を吸うとその刺激が感覚神経を通ってお母さんの視床下部に伝導します。刺激を受け取った視床下部オキシトシンを合成し、オキシトシンは下垂体後葉から血中に分泌されます。分泌されたオキシトシンは血中を移動し乳房の平滑筋に作用し、平滑筋を収縮させ母乳を出させます。

 

②分娩時に子宮を収縮させる働き

分娩時に赤ちゃんがお母さんのお腹から出てこようとすると、お母さんの子宮頚部にある圧力を感知する受容体は赤ちゃんが出てこようとする圧力を感じ取りその刺激を視床下部に送ります。刺激を受け取った視床下部オキシトシンを合成し下垂体後葉からオキシトシンを血中に分泌させます。オキシトシンは血中を移動し子宮頚部にある平滑筋に作用し平滑筋を収縮させることで赤ちゃんがお腹から出てくるのを助けます。

オキシトシンにより子宮頚部はさらに収縮し、その収縮を先ほどの圧受容器が感知しその刺激をまた視床下部に送ります。するとまた視床下部オキシトシンが合成され下垂体後葉からオキシトシンが分泌され、さらに子宮頚部の収縮が強くなる。このように分娩時には血中オキシトシンの増加によりさらにオキシトシンの分泌が増加するという、いわゆる正のフィードバックが働く。

臨床では子宮収縮作用に基づいて出産を開始させたり、産褥期の出血を抑えるためにオキシトシンは使用されるようです。

 

 

3.愛情ホルモン オキシトシン

 

http://img01.gahag.net/201608/27o/gahag-0119333222.jpg

 

オキシトシンが愛情ホルモンと言われるのはオキシトシンが分娩後のお母さんの子宮の回復を促すからである。

具体的に書くと、赤ちゃんを産み終えた後、お母さんの子宮の平滑筋は分娩により伸びきってしまっている。しかし赤ちゃんがお腹を空かせお母さんの母乳を飲むために乳房を吸うと下垂体後葉からオキシトシンが分泌され、オキシトシンはお母さんの乳房をの平滑筋を収縮させ母乳を出させるだけでなく、お母さんの伸びきって傷ついた子宮を収縮させる。伸びきった子宮を収縮させる=お母さんの回復を促すことと同意であり、お母さんは赤ちゃんが乳房を吸った時自分の体が回復する(おまけにオキシトシンが分泌されるとストレスホルモンの濃度が小さくなる、血液循環が良くなったりする)のでとても幸せな気持ちになるという。この幸せな気持ちがお母さんの赤ちゃんへの愛情の正体であると考えられている

 またオキシトシンは分娩後お母さんが赤ちゃんに母乳を与える時だけでなく、お母さんが赤ちゃんを見た時、赤ちゃんの声を聞いた時、赤ちゃんの匂いがした時にも分泌されるという。

オキシトシンは母体の回復を促進し、さらにオキシトシンを分泌させるトリガーが赤ちゃんであるので、お母さんと赤ちゃんに強い絆が生まれるのも頷ける。

 

 

4.赤ちゃんの虐待についての考察

さて前の段落で赤ちゃんのおかげで分泌されるオキシトシンがお母さんの分娩からの回復を促進し、そのおかげで赤ちゃんとお母さんは強い絆で結びつくと書いたが、最近、赤ちゃんが生まれてもオキシトシンがあまり分泌されないお母さんがいることを聞いた。もしこれが本当ならば僕たちが生きる現実世界で当たり前だと思われている1つの通説が覆されることになる-つまり自分が苦労して産んだ赤ちゃんを愛することができない母親が存在することになる。

時々罪のない赤ちゃんの命が母親の虐待によって命を失ってしまったというニュースが流れることがあり、ほとんどの人はこの母親が狂っているだとか人間じゃないだとかそういった負の感情を抱くだろうと思うが(僕も最初はそう思っていた)決して赤ちゃんを殺してしまった母親をかばう訳ではないのだが、1つだけ頭に止めておいて欲しいことがある。それは母親が赤ちゃんを殺めてしまったのは母親からオキシトシンが分泌されなかったことが原因かもしれないことだ。もちろん赤ちゃんを殺してしまったお母さんの罪は重い、しかしもしも原因が脳から分泌されるオキシトシンであるということになれば果たしてこのお母さんをどのように法で裁けばいいのか?僕にはわからない。

またこういったオキシトシンがあまり分泌されないお母さんはどうしたらいいのか。オキシトシンを注射してあげればいいのいか?果たして外部からのオキシトシンの注射で得た赤ちゃんに対する愛情は本当の愛情なのだろうか?

僕にはどうしたらいいかわからない難しい問題の1つである。