蜂蜜Socrates

なぜ頭がいたいのか

HIVから世界を救う!?ミツバチの毒の科学

 

ミツバチと聞くと食いしん坊なみなさんはあぁ蜂蜜を作るやつだ!と蜂蜜を連想しそう何ですけど今回のブログはミツバチが作り出す毒が主人公です。ちなみに僕も蜂蜜は大好きでよくパンにつけたりトマトにつけたりして食べます。本当にあれいいっすよね。美味しいし健康にもいいし、蜂蜜の正体はミツバチの唾液聞いたこともあるけどそんなことどうでもいいと思えてきちゃいます。さて蜂蜜ミルクでも飲むか…。

まあこの話はこの辺にして本題に入りたいと思います。

 

 

目次

1.絶対にかかってはいけない エイズの恐怖

2.ミツバチの毒がエイズの治療薬になる可能性

3.毒のいろいろ

 

 

1.絶対にかかってはいけない エイズの恐怖f:id:growthtrigger:20180706174055j:plain

さてみなさんはエイズという病気はご存知ですか?よく名前は耳にしますよね。実はこの病気は非常に厄介な病気なんですね。

 このエイズ後天性免疫不全症候群)という病気はレトロウイルスに属するRNAウイルスであるHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に僕たちが感染することで引き起こされる病気で、このウイルスは主に僕たちが性行為をすることで感染します。(細胞に侵入したHIVは自身の持つ逆転写酵素RNAからDNAに変換され宿主細胞のDNAに組み込まれる。その後HIVに感染した細胞内ではウイルスの増殖、複製が起こりやがて感染細胞はアポトーシスにより自殺する。)

さてこの病気の厄介なところはHIVはヘルパーT細胞という僕たちの体の中の獲得免疫系の司令塔的細胞に感染しその機能を停止させてしまうことですね。

獲得免疫系とはB細胞が抗体産生、キラーT細胞による病原体の障害などが主な働きであり、獲得免疫系が働かなくなると僕たちの免疫系の機能は大きく低下する。

免疫系の機能が低下すると何が起こるというと日和見感染しやすくなる。言い換えると、普段は僕たちに無害な細菌やウイルスに感染しやすくなる。この普段は無害な細菌やウイルスにより引き起こされる日和見感染によりほとんどの人は命を失う。

だからエイズにかかった人たちは病院の無菌室という完全除菌された部屋でしか生きていけない。

そしてエイズに対しての効果的な治療法は発見されておらず、医療が発達した現代においても毎年150万人の命がこの病気により失われている。

 

 

 

2.ミツバチの毒がエイズの治療薬になる可能性f:id:growthtrigger:20180706173928j:plain

 

毎年150万人の命を奪うエイズなのだが、最近ついに原因ウイルスであるHIVと戦う成分が見つかった。そうミツバチの毒である。

2001年に発表された論文「A Peptide Drived from Bee Venom-Secreted

PhospholipaseA2  Inhibits Replication of T-cell Tropic HIV-1 Strains via Interaction with the CXCR4 Chemokine Receptor」によるとミツバチの毒から分離されたホスホリパーゼA2というタンパク質に含まれるp3bvというアミノ酸がCXCR4と相互作用してT細胞に寄生したHIV-1が複製して増殖するのを防ぐことが示された。

要するにミツバチの毒に含まれる成分の1つがHIVの増殖を抑えることが示された。

また最近ワシントン大学の研究でミツバチの毒に含まれる含まれるメリチンというタンパク質がHIVを攻撃し破壊したとの報告もある。

現在ミツバチの毒を利用した薬は完成していないが、地球規模の感染症の治療薬となることを目指して配合を調整中である。

 

 

 

3.毒のいろいろ

先ほど述べたようにミツバチの毒にはHIVを殺す働きがあるのですが、他にも抗生物質となる成分や、顔のシワを改善するボトックス効果のある成分、多発性硬化症の症状を改善する成分が発見されている。

ミツバチの毒の他にも生物が作り出す毒から抽出された成分が薬になることは多々あり、糖尿病の薬として有名なバイエッタはアメリカ毒トカゲの毒から作られているし、

血圧を下げる薬であるカプトプリルは、はらからというブラジルのクサリヘビの毒から作られている。

生物の毒には薬にはまだなっていないがいずれ何かの特効薬となりうる成分が発見されており例えば、イソギンチャクの毒は自己免疫疾患にタランチュラの毒は筋ジストロフィーの治療に使われようとしている。

このように生物が作り出す毒には人の生命を脅かすタンパク質も多く存在するのだが、それらから多くの人の命を救う化合物も発見されており今後どのような薬が開発されるのか楽しみである。